この記事の結論

  • 審査は「基礎審査」「計画審査」「加点審査」の3段階です。計画審査では自社の状況、方針と目標、取組の有効性、費用の積算が見られます。
  • 文章の立派さより、現状・取組・費用・目標が一本につながっているかで差がつきます。
  • 加点(=条件を満たすと審査で評価される項目)と特例(=条件付きで上限などが変わる仕組み)は、証明と達成条件まで確かめてから選びます。

審査はどう進みますか

段階何を見るか落ちるとどうなるか
基礎審査対象者の条件、必要書類、締切、様式4の有無計画は読まれずに不採択
計画審査経営計画と補助事業計画の中身(4つの観点)点数が低いと不採択
加点審査重点政策加点・政策加点の該当同じ点数のとき差がつく
減点過去の採択者など点数が下がる

公募要領(=募集のルールをまとめた公式資料)第8版の「審査の観点」に書かれている内容を、初心者向けに言い換えています。

書類とパソコンを見比べながら、確認した内容をチェックする人
書かれた内容を、元の資料と一つずつ見比べます。

計画審査の4つの観点は、どんな質問ですか

観点審査する人の質問自分で確かめる質問
自社の状況の分析この店は何で、何に困っているのか記録で説明できるか
経営方針と目標どこへ向かい、どんな数字を目指すのか計算式と理由があるか
補助事業の有効性この取組で困りごとが解決するのか誰に、何を、どうやってが書けているか
費用の積算費用は取組に必要で、金額は妥当か見積と区分が合っているか

1. 自社の状況を、記録で説明しているか

「地域で評判」ではなく「来店客の約4割が月2回以上の常連(2026年4〜9月のレジ集計)」のように書きます。 強みは取組につながるもの、弱みは取組で補うものを選ぶと、後半と一本につながります。

2. 方針と目標に、理由があるか

「売上を3倍にする」ではなく「月12件×1万円=月12万円、年144万円」のように、客数・単価・回数で計算します。 実績の数字と、これからの仮定を同じ文に混ぜないことが大切です。

3. 今回の取組が、困りごとを解決するか

困りごとが「贈答の問い合わせに答える案内が無い」なら、取組は「カタログを作り、会社120社に配る」です。 「パンフレットを印刷する」で終えず、誰に配り、誰が問い合わせを受け、どう受注するかまで書きます。

4. 費用が、計画と見積に合っているか

計画に必要な費用だけを、正しい区分で書きます。「制作一式」は内訳を出してもらいます。 対象外の費用(パソコンなど)や、区分の上限(広報費30万円)も見ます。

架空の例:同じ店の「弱い計画」と「強い計画」

焼き菓子店(店主と家族1人)が、贈答用の需要を取る計画を書いたとします。

欄弱い書き方強い書き方
企業概要地域で愛される焼き菓子店です2017年開業。年商960万円、店頭85%・予約15%
顧客ニーズ贈答品のニーズが高まっています4〜9月に贈答の問い合わせ14件。案内が無く6件を断った
強み丁寧な対応と美味しさ注文後に焼く少量生産と、自店での包装
目標売上アップを目指します贈答の売上 年144万円(月12件×1万円)。年商15%増
取組パンフレットとホームページを作るカタログを会社120社に郵送。QRから注文ページへ
効果多くのお客様に知ってもらえる月2件→12件。根拠は問い合わせ14件と聞き取り18名

左右で店は同じです。差は、記録と計算式があるかどうかだけです。

加点は、どう選びますか

第20回では、重点政策加点と政策加点から原則1種類ずつ選びます。

種類例必要なもの
重点政策加点賃金引上げ加点、事業承継加点、災害加点 など要件の証明、誓約
政策加点経営力向上計画加点、事業継続力強化計画の認定 など認定書の写し(基準日までの認定)

加点は計画そのものの説明の代わりにはなりません。4つの観点を整えた後で、条件に合うものを選びます。 認定が要るものは、申請締切より前に認定を受けている必要があります。事業継続力強化計画は随時申請できます。

第20回の賃上げ要件を、過去の回と取り違えない

項目第20回の条件(公募要領第8版)
賃金引上げ特例従業員1人あたりの給与支給総額を、所定の期間で年平均3.0%以上増やす
達成できなかったとき上乗せ分だけでなく、補助金の全体が交付の対象外になる規定がある
以前の回事業場内の最低賃金を地域別最低賃金+50円以上にする、という条件だった

比較する期間と、計算に含める従業員にも定義があります。古い記事の「+50円」だけで判断しないでください。

減点されるのは、どんな場合ですか

過去に持続化補助金の採択を受けた事業者は、減点の対象になります。 前回と今回で何が違うか(新しい顧客層、新しい商品、別の販路)を計画に書きます。 前回の取組の結果(売上や客数の変化)を書くと、今回の根拠にもなります。

気をつけたいこと

  • 審査員は申請書だけを読みます。店を知らない人に伝わるかを、家族や知人に読んでもらって確かめます。
  • 文字数の上限に近い欄は、形容詞を削って記録を残します。
  • 様式4(=商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書)の相談で言われた指摘は、採択の審査とは別です。ただし同じ観点で見られます。
  • モラエタの点数は目安です。正式な審査の結果ではありません。

提出前の最終チェック

  • 企業概要に、年・売上・内訳の数字があるか。
  • ニーズの欄に、記録(件数・回答数)があるか。
  • 目標に、計算式と年があるか。
  • 取組に、誰に・何を・どうやって、があるか。
  • 効果に、数字・根拠・確かめ方があるか。
  • 様式3の品目がすべて計画に出てくるか。
  • 加点を選ぶなら、証明書が手元にあるか。

この記事で使った言葉

言葉意味
基礎審査条件・書類・締切など形式の審査
計画審査計画の中身の審査。4つの観点で見られる
加点条件を満たすと審査で評価される項目
特例条件付きで上限が上がる仕組み
様式4商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書
公募要領募集のルールをまとめた公式資料

よくある質問

採択率は何割ですか

回によって変わり、審査の前には分かりません。目安の数字で判断せず、今回の条件と計画の中身を確かめます。

加点を選べば、説明が薄くても通りますか

加点は計画の説明の代わりになりません。4つの観点を整えた上で、条件に合う項目を確かめます。

商工会・商工会議所の相談は、採択の審査ですか

採択を決める審査とは別です。計画を説明し、準備や内容を見直す機会として使います。

文章が苦手でも通りますか

通ります。審査で見られるのは、記録と計算式と、つながりです。短い文で事実を並べる方が伝わります。

不採択の理由は教えてもらえますか

個別の理由は原則として開示されません。不採択だったときの記事に、次に向けた見直し方があります。

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