この記事の結論

  • 様式2は、前半で「いまの事業」を4つの欄で、後半で「今回すること」を4つの欄で説明する計画書です。
  • 書く順番は、企業概要→顧客ニーズと市場の動向→強み→方針と目標→事業名→取組内容→効率化→効果です。
  • 数字には「実績か仮定か」「出どころ」「計算式」を添えます。架空の焼き菓子店の例で各欄を確かめられます。

様式2はどこに何を書く書類ですか

様式2は「経営計画書兼補助事業計画書①」と呼ばれる書類で、第20回では電子申請システムの画面に入力します。 販路開拓(=新しい販売先や顧客を広げる取組)の計画を、審査する人に説明するための書類です。

部分欄書くこと
経営計画①企業概要何を、誰に、どこで、いくら売っているか
②顧客ニーズと市場の動向お客さんが求めていることと、その根拠
③自社や自社の提供する商品・サービスの強み選ばれる理由と、弱み
④経営方針・目標と今後のプランどこへ向かうか、数字の目標
補助事業計画①補助事業で行う事業名30字以内
②販路開拓等(生産性向上)の取組内容誰に、何を、どうやって
③業務効率化(生産性向上)の取組内容任意。作業の時間を減らす取組
④補助事業の効果売上や客数がどう変わるか、根拠

様式3(経費明細表)は別の書類で、金額と区分を書きます。様式2の取組と様式3の金額は一致させます。

焼き菓子店の店主が、商品と案内の見本を前に計画を考えている
焼き菓子店の架空の例。商品・届けたい相手・伝え方を具体的に考えます。

例に使う架空のお店は、どんなお店ですか

項目内容
店住宅地の焼き菓子店(開業9年)
人店主と家族1人
売上年商960万円。店頭販売85%、予約の詰め合わせ15%
困りごと近隣の会社からの贈答用の問い合わせに、案内も注文の窓口も無い
やりたいこと贈答用カタログを作り、注文ページで受ける

経営計画の4欄は、架空の例でどう書きますか

①企業概要:何を・誰に・どこで売っているか

「2017年に〇〇市の住宅地で開業した焼き菓子店である。店主と家族1名で、クッキーとパウンドケーキを店頭で販売している。」 「2025年の売上は960万円で、店頭販売が85%、予約の詰め合わせが15%を占める。」 売上は年と内訳を書きます。「地域で人気」のような評価の言葉より、数字と事実を先に書きます。

②顧客ニーズと市場の動向:お客さんと周りの変化

「主な客は半径2kmの30〜60代の女性で、来店の約4割が月2回以上の常連である。」 「2026年4〜9月に、近隣の会社から贈答用の問い合わせが14件あったが、案内が無く6件を断った。」 ニーズは「問い合わせの件数」「アンケートの回答」のように、記録で示します。

③強み・弱み:自店だからできること

「強みは、注文を受けてから焼く少量生産と、包装を自店で行えることである。」 「弱みは、店頭以外の注文の窓口が無く、営業時間外の注文を受けられないことである。」 強みは取組につながるもの、弱みは取組で補うものを書くと、後半と一本につながります。

④経営方針・目標と今後のプラン:どこへ向かうか

「方針:店頭の常連を大切にしながら、近隣の会社の贈答需要を新しい柱にする。」 「目標:贈答の売上を年144万円(月12件×1万円)とし、年商を15%増の1,104万円にする。」 実績と目標を混ぜないように、年を明記します。目標の計算式を添えます。

補助事業計画は、架空の例でどう書きますか

事業名(30字以内)

「贈答用カタログと注文ページで近隣企業の需要を取り込む」(26字) 何を、誰に、どうやって、が入っていると分かりやすい名前になります。

販路開拓等の取組内容

「(1)贈答用カタログの制作と配布(広報費):商品・価格・納期を載せたカタログを作り、半径3kmの会社120社に郵送する。」 「(2)注文ページの制作(ウェブサイト関連費):カタログのQRコードから注文できるページを作る。」 「(3)実施体制:店主が商品と原稿を、家族1名が配布と注文の確認を担当する。」

焼き菓子店の例:困りごとから、成果の確認まで
  1. 困りごと

    贈答用の問い合わせはあるが、商品や注文方法を毎回説明している。

  2. 今回の取組

    贈答商品の案内を作り、近隣の会社へ配布。注文の受け方も決める。

  3. 確認する数字

    問い合わせ、見積、受注を月ごとに記録し、配布前後を比べる。

架空の例です。「作るもの」だけでなく、使い方と確かめ方までつなげます。

業務効率化の取組内容(任意)

「注文を電話で受けていた作業を注文ページに置き換え、受注の記録にかかる時間を週2時間減らす。」

補助事業の効果:やった結果、どうなるか

「贈答の注文を月2件から月12件(1件平均1万円)に増やす。年間の売上増は120万円を見込む。」 「根拠は、2026年4〜9月の問い合わせ14件と、常連客30名への聞き取りで18名が贈答に使いたいと答えたことである。」 効果は「数字+根拠+確かめ方」の3点で書きます。

数字には何を添えればいいですか

数字の種類添えるもの例
実績期間と出どころ2025年の売上960万円(確定申告書)
仮定計算式と前提月12件×1万円=月12万円
根拠記録の種類と件数問い合わせ14件(2026年4〜9月の電話メモ)

実績と仮定を同じ文に混ぜないことが、いちばん大きな差になります。

書き終えたら、何を見直せばいいですか

  • 困りごとと取組が一致しているか。関係のない買い物が入っていないか。
  • 取組と費用(様式3)が一致しているか。計画に無い制作や設備が見積に入っていないか。
  • 目標と体制が一致しているか。担当者と製造できる量で実行できるか。
  • 事業名・取組・効果に同じ言葉(贈答、近隣企業)が出てくるか。

人に手伝ってもらったときは

計画の作成を第三者に手伝ってもらった場合は、申請画面でその旨と費用を記入します。 AIで下書きを作った場合は、本人が事実と数字を確かめて書き直します。AIの下書きの確認方法に手順があります。

提出前に、ほかに守ることはありますか

  • 各欄には文字数の上限があります。上限に近い欄は、根拠の無い形容を削ります。
  • 様式4(=商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書)を依頼するときに、この様式2を見せます。発行受付の締切は12月4日です。
  • 加点(=条件を満たすと審査で評価される項目)を選ぶ場合は、証明書を添付します。
  • 売上の数字は、添付する決算書や確定申告書と一致させます。

よくある失敗と直し方

失敗直し方
企業概要に歴史や思いだけを書く何を・誰に・どこで・いくら売っているかを数字で書く
ニーズを「高まっている」で済ませる問い合わせの件数、アンケートの回答など記録を書く
目標が「売上アップ」客数×単価×回数の計算式と、年を書く
取組が「ホームページを作る」で終わる誰に、何を載せ、どう受注するかまで書く
効果に根拠が無い記録の種類と件数、確かめ方を添える
様式3の金額と計画が合わない計画に無い品目を見積から外す

この記事で使った言葉

言葉意味
様式2経営計画書兼補助事業計画書①。計画の文章を書く書類
様式3補助事業計画書②。経費の明細を書く書類
販路開拓新しい販売先や顧客を広げる取組
様式4商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書
加点条件を満たすと審査で評価される項目

よくある質問

売上などの数字が分かりません

決算書、売上台帳、予約や注文の記録を見ます。見つからない数字は推測で実績にせず、確かめる項目として残します。

長く書いた方が有利ですか

長さでは決まりません。質問に答えているか、根拠があるか、取組と費用がつながっているかで決まります。

AIの文章をそのまま使えますか

商品名、数字、根拠を本人が確かめてから使います。架空の数字が残っていないか必ず見ます。

経営計画と補助事業計画で同じことを書いてもいいですか

前半は「いまの事業」、後半は「今回すること」です。同じ文の繰り返しではなく、前半の弱みを後半の取組で補う形にします。

文字数が足りません

足りない欄は、記録(件数・金額・期間)を加えます。形容詞を増やしても評価にはつながりません。

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