この記事の結論
- 第20回の広報費の「30万円」は、使う費用ではなく、補助される金額の上限です。費用なら45万円分に当たります。
- ウェブサイト関連費にも別に補助額30万円の上限があり、広報費もウェブサイト関連費も、その区分だけの申請はできません。
- 2つの区分を合わせても、通常枠の全体上限50万円を超えて受け取ることはできません。
広報費とは、どんな費用ですか
商品やサービスを「知らせる」ための費用です。
| 広報費に入る例 | 入らない例 |
|---|---|
| 商品を案内するチラシ・パンフレット | 会社案内だけのパンフレット |
| 看板、のぼり、店頭のサイン | 求人広告 |
| 新聞・雑誌・フリーペーパーの広告 | 名刺、封筒 |
| DM(ダイレクトメール)の印刷と郵送 | 既存客への値引きクーポンだけの配布 |
| 試供品・見本品の配布 | 販売する商品そのもの |
「誰に、どの商品を伝える広告か」を計画と見積の両方で説明します。

自社サイトの制作は、ウェブサイト関連費
ホームページ、通販サイト、予約システムの制作・改修・運用は、ウェブサイト関連費です。
| 迷いやすいもの | 区分の考え方 |
|---|---|
| ホームページの制作 | ウェブサイト関連費 |
| 通販サイト・予約ページの制作 | ウェブサイト関連費 |
| 自社サイトに載せる写真・動画の制作 | 使う場所がサイトならウェブサイト関連費 |
| 紙のチラシに載せる写真の撮影 | 広報費 |
| ネット広告(リスティング・SNS広告) | 掲載の方法で分かれる。公募要領の例で確かめる |
迷ったら、成果物(何ができるか)、掲載先(どこで使うか)、作業内容(何をしてもらうか)が分かる見積を用意し、事務局に聞きます。
30万円の上限を、計算で確かめる
第20回・通常枠(補助率2/3)で、対象経費と税の条件を満たす架空の例です。
| 計画 | 計算 | 補助額 |
|---|---|---|
| チラシ45万円 | 45万円×2/3=30万円 | 30万円(上限ちょうど) |
| チラシ60万円 | 60万円×2/3=40万円→上限 | 30万円。残り30万円分は自己負担 |
| チラシ30万円+サイト制作45万円 | 20万円+30万円 | 50万円(全体上限ちょうど) |
| チラシ45万円+サイト制作45万円 | 30万円+30万円=60万円→全体上限 | 50万円 |
補助率(=補助される割合)2/3で30万円の補助を受けるには、費用は45万円です。ここを「30万円まで使える」と取り違えやすいです。 特例(=条件付きで上限などが変わる仕組み)で全体の上限が上がっても、広報費の30万円は変わりません。
「それだけでは申請できない」とは、どういう意味ですか
第20回では、広報費だけの計画も、ウェブサイト関連費だけの計画も申請できません。 チラシだけ、ホームページだけ、という計画は、ほかの区分の費用を組み合わせる必要があります。
| 計画 | 申請できるか |
|---|---|
| チラシのみ | できない |
| ホームページのみ | できない |
| チラシ+ホームページ | できない(どちらも単独申請不可の区分のため) |
| チラシ+店舗の改装(委託・外注費) | できる |
| ホームページ+展示会出展(展示会等出展費) | できる |
ただし、条件を満たすために不要な買い物を足すのではなく、取組に本当に必要な費用から考えます。
架空の例:雑貨店の広報費の組み立て
商店街の雑貨店(店主1人)が、作家ものの雑貨コーナーを作ってギフト需要を取る計画です。
| 費用 | 区分 | 金額 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| ギフト案内のチラシ3,000部と店頭の看板 | 広報費 | 240,000円 | 160,000円 |
| 陳列棚と照明の工事 | 委託・外注費 | 390,000円 | 260,000円 |
| ギフト用の包装機 | 機械装置等費 | 120,000円 | 80,000円 |
| 合計 | 750,000円 | 500,000円 |
広報費の補助額16万円は30万円の上限内で、全体も50万円に収まります。 チラシを60万円にしても補助は30万円止まりなので、部数は配れる数に合わせて決めました。
名目を変えてはいけません
広報費の上限を超えた分を「委託費」などに付け替えることはできません。 見積は広告・撮影・サイト制作などに分けてもらい、実際の使い道で区分します。 納品物と支払いの記録を同じ内訳で残し、実績報告(=使ったお金と実施内容の報告)で確かめられるようにします。
気をつけたいこと
- チラシの配布を自分で行う場合、自分の人件費は対象外です。
- 看板は、取り付け工事を含めて広報費に入ることが多いです。見積に工事費を分けて書いてもらいます。
- 広告の掲載期間が事業実施期限(2028年3月31日)を超える分は、対象外になることがあります。
- 交付決定(=発注を始めてよいという正式な通知)の前に印刷を発注すると、対象になりません。
広報費の見積に書いてもらうこと
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 成果物 | A4チラシ 両面カラー 3,000部 |
| 掲載先・配布先 | 半径3kmの会社120社へ郵送 |
| 作業内容 | デザイン、印刷、封入、郵送 |
| 金額の内訳 | デザイン 60,000円、印刷 90,000円、郵送 90,000円 |
| 納期 | 2027年5月 |
内訳が分かれていると、区分の判断と上限の計算が1回で済みます。
この記事で使った言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 広報費 | 商品やサービスを知らせる費用。補助額30万円まで |
| ウェブサイト関連費 | サイトや予約システムの制作・改修の費用。補助額30万円まで |
| 補助率 | 対象経費のうち補助される割合 |
| 特例 | 条件付きで全体の上限が上がる仕組み。区分の上限は変わらない |
| 交付決定 | 発注を始めてよいという正式な通知 |
| 実績報告 | 使ったお金と実施内容の報告 |
よくある質問
チラシに80万円使ったら、補助金はいくらですか
広報費の補助額は上限30万円です。ただし広報費だけでは申請できず、ほかの区分を含む計画にする必要があります。
2つの上限が30万円ずつなら、通常枠で60万円もらえますか
通常枠の全体上限は50万円です。区分の上限を足した額と、全体の上限を取り違えないようにします。
SNS広告はウェブサイト関連費ですか
掲載の方法によって区分が分かれます。公募要領(=募集のルールをまとめた公式資料)の対象経費の例で確かめ、迷ったら事務局に聞きます。
看板の上限も30万円ですか
看板は広報費なので、ほかの広報費と合わせて補助額30万円までです。
広報費が30万円を超える計画は損ですか
超えた分は自己負担になりますが、取組に必要なら問題ありません。配布できる部数や掲載回数から、必要な金額を決めます。