この記事の結論
- 持続化補助金は、小さな会社や個人事業主が「新しいお客さんを増やす取組」をするときに、費用の2/3を国が補助する制度です。
- 第20回・通常枠は上限50万円、補助率(=補助される割合)2/3です。特例で最大250万円になります。
- 審査があり、後払いです。計画を書く力と、先に支払う資金の両方が要ります。
持続化補助金とは、ひとことで言うと何ですか
正式名称は「小規模事業者持続化補助金」です。商工会・商工会議所と国(中小企業庁)が運営しています。 販路開拓(=新しい販売先や顧客を広げる取組)にかかる費用の一部を、審査のうえで補助します。 チラシを作る、ホームページを作る、店を改装する、展示会に出る、といった取組が典型です。 補助金なので返す必要はありません。ただし、使い道と結果の報告が義務になります。

たとえば、どんな計画を考えるのか
架空の焼き菓子店(店主と家族1人)で考えます。店頭販売だけで、贈答用の問い合わせを取りこぼしていました。 この店が「贈答用の商品を近隣の会社に知ってもらい、注文を受ける仕組みを作る」と計画したとします。
| 困りごと | 取組 | 費用 |
|---|---|---|
| 贈答の問い合わせに答える案内が無い | 贈答用カタログを作り、近隣の会社50社に配る | 印刷と配布(広報費) |
| 電話でしか注文を受けられない | 注文ページを作る | 制作費(ウェブサイト関連費) |
| 箱詰めに時間がかかる | 包装機を入れる | 設備費(機械装置等費) |
このように「誰に、何を届け、事業がどう良くなるか」を計画にします。安く買い物をするための制度ではありません。
誰が対象になるのか
| 業種 | 常時使用する従業員 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
法人も個人事業主も対象になり得ます。役員や同居の親族は数に入れません。 パートやアルバイトは、勤務時間の長さだけで除かず、雇用契約で判断します。 医師、一般社団法人など対象外の区分もあります。対象条件の記事で順番に確かめます。
どんな費用が候補になるのか
| 区分 | 例 | 注意 |
|---|---|---|
| 機械装置等費 | 製造・加工の設備 | パソコンや車両は対象外 |
| 広報費 | チラシ、看板、広告 | 補助額30万円まで。単独では申請不可 |
| ウェブサイト関連費 | サイト制作、通販サイト | 補助額30万円まで。単独では申請不可 |
| 展示会等出展費 | 展示会の出展料 | 販売目的の催事は確認が必要 |
| 旅費 | 展示会や商談の交通費 | 日当や普段の営業は対象外 |
| 新商品開発費 | 試作品の材料 | 販売する商品の仕入れは対象外 |
| 借料 | 機器や会場の借り賃 | 自社の家賃は対象外 |
| 委託・外注費 | 店舗の改装工事 | 不動産の購入は対象外 |
普段の仕入れ、家賃、人件費は対象外です。対象経費の記事に見分け方があります。
いくら補助されるのか
対象経費に補助率を掛け、上限の範囲で計算します。
| 対象経費 | 計算 | 補助額 |
|---|---|---|
| 30万円 | 30万円×2/3 | 20万円 |
| 75万円 | 75万円×2/3 | 50万円(上限) |
| 120万円 | 80万円だが上限あり | 50万円 |
特例(=条件付きで上限などが変わる仕組み)を使うと、インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円です。 補助金は精算払い(=後払い)です。業者には先に全額を払い、報告の後に補助分が入ります。 お金の流れの記事に、支払いと入金の時期の図があります。
準備から入金までの流れ
| 段階 | やること | 誰が |
|---|---|---|
| 準備 | GビズID(=国の電子申請用アカウント)、計画、見積、決算書をそろえる | 自分 |
| 相談 | 商工会・商工会議所に計画を見せ、様式4(=事業支援計画書)を発行してもらう | 自分と窓口 |
| 申請 | 電子申請システムに入力・添付して送信する | 自分 |
| 審査 | 形式と計画の中身を審査する | 事務局 |
| 採択・交付決定 | 交付決定(=発注を始めてよいという正式な通知)を受ける | 事務局→自分 |
| 実施 | 発注、支払い、取組の実行 | 自分 |
| 実績報告 | 実績報告(=使ったお金と実施内容の報告)を出す | 自分 |
| 入金 | 確定した補助額が振り込まれる | 事務局 |
| 事業効果報告 | 事業効果報告(=終了1年後の状況報告)を出す | 自分 |
詳しい手順は申請方法の記事にあります。
審査では何を見られるのか
計画審査では、自社の状況の分析、経営方針と目標、取組の有効性、費用の積算の4つが見られます。 文章の上手さより、困りごと・取組・費用・効果が一本につながっているかが大切です。 加点(=条件を満たすと審査で評価される項目)もあります。審査で見られることで確かめます。
第20回の予定と、次にすること
受付開始は2026年11月5日、様式4の発行受付締切は12月4日、申請締切は12月15日17時です。 まず、やりたいことを一行で書きます。次に第20回の概要で条件を確かめます。 モラエタでは、質問に答えると様式2の下書きができ、審査の観点で点検できます。送信は本人が行います。
よくある誤解と、実際のところ
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 申請すればもらえる | 審査があり、採択率は回によって変わる |
| 50万円がそのまま入る | 対象経費の2/3まで。75万円使って50万円 |
| 先に補助金が入ってから買える | 後払い。自分で全額を払ってから報告し、入金される |
| 代行業者に頼めば自分は何もしなくていい | 送信は本人のGビズIDで行う。計画の内容も本人が説明できる必要がある |
| 一度もらうと二度と使えない | 条件を満たせば再び申請できる。ただし減点がある |
この記事で使った言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 販路開拓 | 新しい販売先や顧客を広げる取組 |
| 補助率 | 対象経費のうち補助される割合 |
| 様式4 | 商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書 |
| 交付決定 | 発注を始めてよいという正式な通知 |
| 実績報告 | 使ったお金と実施内容の報告 |
| 事業効果報告 | 補助事業の終了から1年後に出す状況の報告 |
よくある質問
会社にしていないと使えませんか
個人事業主も対象になり得ます。開業していること、業種と従業員数の条件を確かめます。
チラシだけの計画でも申請できますか
第20回では広報費だけの申請はできません。実際に必要な取組と、ほかの区分の費用を含む計画にします。
採択されたら、いつお金が入りますか
交付決定の後に実施し、支払いを終えて実績報告をした後です。申請から入金まで1年前後かかることがあります。
モラエタを使えば採択されますか
採択を約束する道具ではありません。下書きと点検を進める道具として使い、事実と条件は本人が確かめます。
次に読む
- 第20回の概要:日程・補助額・経費のまとめ。
- 対象条件の確認:自社が使えるかを順番に確かめる。
- 持続化補助金の制度ページ:下書きの見本と、2タップの診断。